ミズノプロ トレーニングシューズ シューズ 品質検査済

• 
• 
• 
• 

　「メッシの偉業に、空のディエゴ（マラドーナ）も喜んでいる」――。サッカーワールドカップ（W杯）カタール大会で優勝を果たしたアルゼンチン国内は、36年ぶりの栄冠に喜びを爆発させた。今回が最後のW杯だと公言しているメッシの故郷のロサリオでは、メッシや代表チームへの感謝の思いを抱き、大勢の人々が歌って踊ってのお祭り騒ぎに興じた。

　2006年ドイツ大会以来となる、PK戦での決着となったW杯決勝戦。アルゼンチン第3の都市ロサリオにあるレストランに集まった200人ほどの観客は、4人目の選手のPKが成功して優勝を決めると、喜びを爆発させた。椅子に立ち上がってジャンプしたり、近くの人とハグしたり。顔を覆って泣く人も少なくなかった。

　観戦していたフリオ・エルナンデスさん（25）は「実に苦しい試合だった。ピンチの度に心臓が止まりそうになり、テレビを直視できなかった」と話す。

　決勝は、アルゼンチンにとって嫌な展開だった。前半で2点リードしたにもかかわらず、後半のわずかな時間の間に、立て続けに点を奪われた。延長後半に再度リードをしたものの、終了直前にまたも同点に。「勝てる」というバー内の空気は、その度に打ち砕かれて静まり返った。

　だがエルナンデスさんは、主将のメッシが述べた言葉を思い出していた。グループリーグ初戦、格下のサウジアラビアにまさかの敗北を喫した際、「僕たちを信じてほしい」と述べた言葉だ。

　「メッシはアルゼンチンそのもの。彼が『信じてほしい』と言えば、もちろん我々は信じるだけだ。信じた結果が優勝だった。メッシはメシア（救世主）だ」

　試合後、街東部のパラナ川沿いにある国旗記念碑では、水色と白のアルゼンチンユニホームを着た数万人もの人々があたりを埋め尽くし、優勝を祝った。今回のW杯は、アルゼンチン国内で「神」とあがめられるマラドーナが亡くなって初となる大会。人々は「我々は空のディエゴが見える。ディエゴも我々を見ている」と歌った。

　一連の光景に涙を流していた…